㈱トミーウォーカーのPBW「エンドブレイカー!」関係の話しが中心。何のことかわからなかったら、Go to Back!して下さい。
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或る日のカルメンシータとペテネーラの会話
「絶世の美女」と自称する金髪碧眼の女が、らしくもない溜息をついた。
隣に座っていた黒髪に褐色の肌の女は、気にする風もなく愛飲している
細身の葉巻を咥え火をつけている。
ねぇ、カルメン・・・と親友に呼びかけた女は長く形の良い足を折り曲げ
幌馬車の座席に蹲る。
「私、どうして結婚できないのかしら?」
膝に顎を乗せ、如何にも不服そうに尋ねる女の青い瞳は真剣そのものだ。
黒髪の女は面倒くさそうに煙を吐き出すと、チラと悩める親友の傷を見た。
「そりゃあ、アンタ。男の趣味が悪いからだろうさ」
さも当たり前と言わんばかりの口調で吐き捨てると、老いた痩せ馬の
手綱を軽くいなす。
「ん、もぅ!」
男の趣味が悪いと評された美女は、隣の女の官能的な唇から葉巻を
奪い取ると、悔し紛れに投げ捨てた。
「何するんだい。火をつけたばかりだったのに、もったいない」
咎める口調は、だが、声が笑っている。
あとには痩せ馬の蹄の音と、幌馬車の車輪の音だけが聞こえていた。
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